卒業生特集
じん市
高橋 一行さん
調理師科(1982年卒)
料理の世界へ踏み出そうと思った時、旅館を営んでいる父が
「これからは洋の時代だ」と言った。
それならば、日本のフレンチの先駆者である村上シェフの教えを学びたいと、
武蔵野調理師専門学校への入学を決めた。学生寮での生活も充実したものであった。
初心はフレンチを目指していたのだが 、和包丁の妙に魅せられ、日本料理に深く興味を持った。卒業後現場経験を活かし、1992年、実家である高橋旅館の敷地内に店を構えた。
メディアにも多く紹介され、2004年から約3年間東京の銀座で料理長を任せられた。
そして秋田県角館にもどり、2008年、以前の「一行樹(かずゆき)」という店名を改め、
「じん市(いち)」として店を再開した。
和を基調としながら、仏・伊・中・亜などのエスプリのきいた料理を組み合わせ、デザートまでのオリジナリティあふれたコース料理の店である。
高橋さんは「古典的な料理に敬意を払いつつ、人の心を動かすような料理をつくり続けたい」と話してくれた。
そして後輩たちへ「どの世界も厳しいが夢を抱き、覚悟を決めて料理の道を目指して欲しい。そして自分の考えをしっかり持ちながら、若いパワーでその時の年令でしか表現できない料理の世界の醍醐味を、思いっきり味わって欲しい」と語った。
とことん料理が好きな料理人 高橋 一行 さんと、その心を伝える笑顔人という肩書きを持つ、
女将の 由樹 さん。
今後もご夫婦二人三脚で、お店を盛り上げていくだろう。